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だらだらと日々のこと、季節の移ろい、世の無常なことなどを感じていただければ。ほとんど出張日記のようになってしまっていますが。お楽しみ下さい。 「ヲチ」はありませんのであしからず。

角川『俳句』10月号

角川の『俳句』10月号をようやく買いました。
立ち読みだけしていましたが、折角なので買ってしまいました。
ぱらぱらと読んだだけですが、
巻頭は三村純也さんの五句「童謡(わざうた)」。
純也さんは普段の句会ではそれほど難解な語句を使いませんが、総合誌に発表する時は民俗学のご専門として「立った」俳句を作ることが多いです。
読む相手のレベルによって変えているのかな?

語句はともかく、俳句はやはり季題が重視。何れも秋の夕暮〜夜にかけての「ある雰囲気」の中での俳句。。民俗学の語句との組み合わせ次第で成功/不成功の句が分かれているようです。

表題の「わざうた」は上代歌謡の流行歌、当時の社会を風刺したもの。

・紅毛の子等走り行く秋の暮
季題は「秋の暮」。「紅毛」はオランダ人やイギリス人を指す。「南蛮(ポルトガル、イスパニア人」と区別した、プロテスタント系欧米人に対する呼称。
長崎の出島の光景なのでしょうか。いやそうでなく今日の神戸の坂の町の風景のようにも感じられます。
きらきらとした赤毛が、秋の暮に棚引いている感じがよく分かります。 

・童謡(わざうた)を解明く神子なき夜長かな
季題は「夜長」。世の中が騒然としており市井では不穏な噂が流れているようです。
占いが何よりも政治の手段であった上代において、神子が居ない一日は時間が長く感じられたでしょう。頬を冷たい風が一陣吹いています。
ただ、ちょっと情景が創造しにくい俳句のような気もします。なにかの謡曲のひと場面なのかもしれませんが、素養のない私ではちょっと分かりませんでした。 

・魂抜けて宮臥したまふ夜寒かな
ああ、菅原道真の祟りでしょうか、恋がかなわなかったでしょうか。祈祷の効果もなく宮中で宮様は臥してしまいました。顔には生気があります。ちゃんと運動も労働もしないから宮様少しのことで魂が抜けてしますのです。
季題「夜寒」が効いています。単独の俳句でも回想、歴史詠と分かります。 
もの凄く「月並み」な解釈ですが、アベッチ現象の後なので、「宮様」のひ弱な姿にくすっと笑ってしまいます。そこまで読めていたとしたら、さすが落語も勉強していた純也さん!?

・夕占(ゆうけ)問ふ橋に柳の散り交へる
「夕占」は言葉の通り夕方に辻に立つ占い師。これは現代にも居ますね。橋は古来「何かが宿る」場所です。「柳散る」季題から痩せていて背の高い占い師の気がします。秋も深まり冷たい風が大路を吹きぬけていきます。
都の光景だとすると地方から突然現れたなぞの占い師かも。こういう人が人々に流説を流布していったのでしょうね。この句も季題が効いていると思います


・宵闇の魂呼ばふ声昂ぶれる
宵闇(陰暦20日以降の夕方の薄暗さ)の一瞬不気味な感じがあります。
ただ、この俳句の場合はちょっと「つきすぎ」かもしれません。頭で作られた気配が濃いのであまり私は好きではありません。 

いつも楽しく読んでいる「17字の冒険者」、3ヵ月後に対談(「合評鼎談」)でぼろくそに言われたりするので、どきどきしながら読んでいます。

一人目は
田中さん(「藍花」)。「ひらがなの名前」。昭和55年生まれとしかプロフィールがない不思議ちゃん(おっと年下か)。

・カーテンの影に秋蝶とまりをり
・緑陰に伏す読みかけの文庫本
こういう普通の俳句の方がよかったです。
最後の
・閉ぢられし句帳に死する蛍かな
蛍の哀れさは伝わってきます。

後の俳句はよく分からない。季題が生きてないです。

二人目は
土谷さん(「天塚」「狩」)の「死者の顔」。「天塚」で色色賞を受賞されている方ですが、
分かる俳句は当たり前すぎ、どこかで見た表現。面白そうな俳句は意味がよく分からない(こちらの「詩情」不足といわれるとそうかもしれませんが・・・)。
こういうケースは往々として季題をしっかり見て消化できておらず、頭の中で「拵え」ているんじゃないかな。要素も多い。
・死者の顔だけを照らして寒灯
これは分かる。病院のしたい安置所などの光景でしょうか。「顔だけを」照らす寒灯し。寒いなぁ灯ったら大寒(大寒の必要はないですが)だとふと気がついた。と言う光景でドラマ仕立てがまずまず成功しています。

三人目は
鈴木さん(「雲の峰」)の「秋夕焼」。皆川盤水の師系ですか、ぱっとわからない結社名の場合「師系」が書いてあると便利ですね。私はどうなるのだろう?
さて、盤水先生の系統らしく素直な俳句が多かったです。

・団栗を拾ひ並ぶる力石
「並ぶ」を過去形?にしているようですが、素直に「並べる」で良い気がしますが、収穫の季節秋の感じが描けています。

・校庭に残る白線秋夕焼
良い俳句だと思います。運動会が終わった後でしょうか。夕焼けの中に鰯雲なんかも染まって残っているのでしょうね。

ちなみ私は
・里山に向きて案山子のののまなこ
とかは、取れないんですよね。景は浮かぶ俳句なのに何故だろうなぁ。

四人目は
久堂さん(「LOTUS」「海程」)の「スフィンクス」。これは駄目。ぜんぜん取れなかった。
この手の人の俳句には嫌悪感があり、先入観があるのかもしれませんが全部の句に長いカタカナを入れて狙いがみえみえ。

・みな魚を病めりシースルーエレベーター
・古い街へサフランライスさらさらす
と言われてもね。季題のある無しとは別に、読んでいていちいち分解しないと意味が理解できない句は、良い俳句だとおもわないですが。。。。






【2007/09/29 20:41】 俳句 | TRACKBACK(0) | COMMENT(0)
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