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引き続き『心音』の鑑賞を。
しかし、凄く読むのに時間掛かりました。28日の旅行の帰りに電子辞書引きながら読みました。
色色な決意が俳句にこめられており、文学としての志の高さを感じる句集でした。
●「五月幟」より
創刊の言をこころに初句会
受験子の明日上京の靴揃へ
引く波の継紙模様春渚
五月幟男の子は家をはなれゆけ
祭待つ大路の緑ととのひし
凋みつつ色を絞れる芙蓉かな
煤掃の足見えゐたり箱階段
雪囲ありあふものを打ちつけし
苺つぶしつつ離れ住む子らのこと
ペーロンの鉢巻も潮かぶりたる
毒蛇の肌も汗噴く夜市かな
秋風を聴きに来たりし柱かな
知つてゐるはずの衢の秋の暮
煤掃きて百畳の冷えあらたまる
●「白南風」より
大寒の山門開けて人拒む
紅梅の蘂しろがねに張りにけり
見るうちに祭の橋となりにけり
梅雨の蝶自堕落に飛ぶこともあり
病室とおぼしき窓も鉾を待つ
心もち瀬音隔つる秋簾
寒椿唇ひらきたるがほど
聞いてゐるふりしてゐたり古ひひな
死に近き手力つよし朝桜
七曜を忘じて花も過ぎにけり
羽蟻飛ぶ亡びの匂ひ嗅ぎつけて
鑑真忌濤声我を呼びやまず
どうでもいいやうに踊りて手練なる
人工島直線直角冬日宙
●「虫の音」より
永き日の菜摘みの民のここに又
杜若水のむらさき吸ひ上げし
蛍火や空の闇より山の闇
山を見てゐしと答へて端居かな
暗きより来たり暗きへ踊りゆく
機織の音の素通し秋簾
一縷ゆゑ単調ゆゑに水寒し
酉の市抜け来しかほの酔ひしるる
継ぐといふことを尊び初蹴鞠
コロッセオ朽ちゆくままに薺長け
二十一世紀の闇へ卒業す
夜桜に螺鈿の光こもりをり
水音と虫の音と我が心音と
七五三日当りて髪亜麻色に
凍天に刺さりて花火消えにけり
秩父夜祭我が身もゆるぎ出づるかな
【2007/03/30 12:41】 俳句 |
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